スティーブジョブズが僕に教えてくれたこと2
2007年、衝撃的な発表を見てしまった。
ジョブズは2007年1月のMacworldの Apple Keynoteで携帯業界をひっくり返す大きな発表を行う。みんなが今持っているだろうスマートフォンの先駆け「iPhone」だ。
彼のプレゼンテーションでは幾つか法則がある。
最初に今までの実績を具体的な数字で比較し成長をアピールしそれを超えるUpdateを発表する。
また、時には今日これから話す事を先に3つ程度にまとめそれをテーマとして話す。
この日はiTunesやiPodのアップデートを話していた。30分後、これからさらに革新的なことを発表するとして3つのキーワードを切り出した。
「何年かに1度。すべてを変えてしまう製品が現れる。」
「それを一度でも達成できれば幸運だが、、Appleは幾度か機会に恵まれた。」
「1984年Macintoshを発売。PC業界すべてを変えてしまった」
「2001年 iPodを発売。音楽の楽しみ方だけでなく、音楽業界すべてを変えてしまった」「本日革新的な新製品を三つ発表する。」
1つ目「ワイドスクリーンでタッチができるiPod/Widescreen iPod with touch controls」
2つ目「革新的な携帯電話/Recolutionary mobile phone」
そして3つ目「画期的なインターネットコミュニケーション/Breakthrough Internet communiciaton」
と発言する。
2つ目の発言の瞬間、客席は腕を上げ乗り出すもの、狂喜乱舞するもの、スタンディングオベーションをおくるものまでいた。それもそのはず。Appleが携帯電話を作っているという噂は何度もでてきていた。それがどんなものか、大ヒットしているiPodに携帯を内蔵するだろうと噂されていた。
だれもが「それぞれ3つの商品を発表する」かのようなイメージをもった。
ジョブズが「3つ発表する」と発言し、数え歌のように何度も3つを繰り返した。
そして会場から笑いがうまれる。
そう全てが一つに組み込まれた新しいイノベーション、iPhoneを発表だったんだ!
僕はこのプレゼンテーションに腰を抜かした。
そして胸が高なった。歴史が変わる瞬間を見せてもらったと思った。
まるで映画のようなストーリー性、相手を楽しませ、心をつかみ、ハートに語りかけている。
だれもが「この商品が欲しい」と望んでいない。なぜなら「想像のつかない製品」だからだ。
携帯先進国だった日本では「ワンセグ」「お財布ケータイ」「簡易メール」「簡易インターネット」「多数のゲーム」などアンケートで人気の機能をうまく詰め込んだところが勝ちという図式になってきていた。しまいにゃ12色ケータイなど選択肢をとにかく増やし「貴女にぴったりなのはこの中にある」という方式にシフトしていた。
つまりこの日Appleが発表したのは、だれもが求めていた携帯電話ではなく、全く新しい、ほんとに革新に満ちたiPhoneだった。
特に日本以外ではInternetができる電話は少なく、キーボードが必須だった。10キーで会話が匠なのは日本くらいだっただろう。メールもできなかったんだから。
そういう部分では日本以上のインパクトはあったであろう。
本当に「欲しい」なんて想像ができない製品なのに、心底欲しくなる。
そんな人を引き寄せる商品は、たえまない探究心と、負けない心意気と、世界を変えるビジョンによって作られているんだということは、このプレゼンテーションのジョブズを見てから知ることになる。
そして、人の心をつかむテクニックや真似のできない独創的な世界の変え方に気づきを貰う。
世界を変えていく、良い歴史をつくっていく手法。それには自分が変わるべきことを教えてくれたんだ。
続きはまた。