わからないことはわからない
いろんな立ち回りをしてバシッと決めたと思いきや爪の甘さで刺されて倒れるのは武士ではなく、ストーリーに関係のない人である。つまりそれが僕、弱い侍。
なんだかそんな気分でトイレの前でスマホをぽちぽち。
会議中のお偉い方の時間が取れるまでまっていた。
「あら、ミツ君そこすわりなさいよ」って会議室のドアがあく。
う先生はいつもの口調で、最近は会議室で始めている珈琲喫茶の道具を片付けていた。
となりの席では最近近いものが見えねぇんだよ。なんていいながら
打ち合わせしてる人がいるというのに、う先生はお構いなくあれこれ話してくださる。
「なに、仕事しにきてるの?えらいねぇ。」
社会の始まりから、人に物を伝えるたいせつさを。
「相談ならのれるよ。わからないことをわからないって答えるんだ」
っていうの。
世の中の時間の取り方をどう工夫しているかに興味があるらしい。
映画いつみるの?テレビで?ドラマも?本も読むの?いつ寝るの?って
気がついたら講演会の話。
僕がした話、昨日共通の知人がやった公演の話。
う先生は
「わたしは大衆を前にした話が苦手でねぇ。テーマあればできるんだよ。」
「でもね、すぐおわっちゃうの。」だっていう。
「できるんだけど、みんなが本当に理解したの?笑うとこだけど全員にとどいてる?って思っちゃうの。」
だから心配でできやしないの。なんていう。
だから質疑応答したほうがいいんだってさ。
そうかそうか。なるほどって思う。
ひとりひとりなら全部聴けるし、答えるよ僕は。って
わからないことはわからないよ。わからないっていうんだ。
だけど経験したことを基準に話はできるよって。
おお、この人の哲学だ。その人の経験だ。ありがたい話だ。
距離感の大切さ、会話のよさに人は引き付けられている。感情ですね!っていったら
「そうなの、そこに共感があるんだよ」って。
そんなありがたい気持ちと裏腹に、現実問題と対峙をしながらこんな時間になっていた。
いつか、どうでしょうでわかるドラッカーとか、コトラーとかそんな哲学本ができるとおもう。
なければ作ればいいし。
マーケティングの一番の基本がここにはあるんだよな